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ワキサカコウジのblog
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むかしの夢
 『週刊文春』にて連載中のエッセイ、中村うさぎ「さすらいの女王」の挿絵を担当しております。最近のイラストをまとめてご紹介させて頂きます。


とは言いつつ、このイラストがいつの号か、どんな内容だったか失念。ツイッター上の有名人を、恐竜に例えた内容だったような気もします。
関係ありませんが、最近の研究で「恐竜の前脚」と「鳥の翼」の骨の構成が同じである事が分かったそうですよ。つまり、色々議論がありましたが、「鳥」の祖先が「恐竜」だったという事がついに証明されたのです!どうもこんつわワキサカです。


こちらのおじさん。長髪が全く似合ってない事に気付いていないコンビニ店長ではありません。そうなりますと、アルバイトから「キモロング」などと、ポテロングみたいなあだ名をつけられてしまうからです。
この方はフランスの哲学者ルネ・デカルト(1596-1650)。『我思う、故に我あり』という有名な命題を提唱した方ですね。難しい事はよく分からないのですが、とにかく昔、板橋区で見た、暴走をされる方達の背中に『我思故我在』と刺繍されていたのは覚えております。



こちらの号は「夢」のお話でした。うさぎさんは以前、悩みのあった時に、夢の中の「自分」に救われた事があったそうです。それは「今にもビルから飛び降りそうな自分を、自分が見上げている夢」だったそうな。

以前にも書きましたが、昔、僕はよく同じ夢を見ました。それは皇居のお濠で平泳ぎしている夢。いい気分でスイ〜ッなんつって泳いでいるのですが、ふと気付くと、真っ裸なのです。オツムのネジが足りないのでしょうね。

まだ小学生くらいの頃には、当時のアイドル「掘ちえみ」さんが、頻繁に夢に出て来たものです。例えば、公園でブランコを狂ったように漕いでいると、突然彼女がやってきて「好きです」と告白された事もあります。人気アイドルから「この事は内緒だよ」的な事を言われ、小学生ながら鼻息がハフハフしたのです。約束なので、目が覚めても誰にも言いませんでした。


この号では、「怠惰」についてのお話。うさぎさんは、面倒くさがりなので部屋も掃除しないし、入浴は一週間に一回だそうです。...というわけで、ナマケモノを描いてみました。

怠惰、については僕も直さないといけないと思っております。やろうと思って手をつけていない事がたくさんありすぎるのです。
例えば何年も前からスポーツジムに通おうと思っていること。実は重い腰をあげて、見学までは行ったのです。しかし、色の黒いボデーのビルダーおじさんが、「ンフフッ ハー ンフフッ ハー」とマシーンで筋トレをしながら、じっとり目を合わせてくださったので、逃げ帰りました。「ン」から始まる言葉が苦手なのです。


以上、文春のイラストはまだあるのですが、続きはまた次回に。

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というわけで、だいぶ更新が空いてしまいましたが、今月はバレンタインデーなんかもありましたね。皆さん、渡すの渡さないのでキャッキャして、なんだかんだでチューとかされたんでしょうか。

こちらはそのバレンタインデーの前日が誕生日なので、またひとつ歳を重ねてしまいました。もういやですね。カカオ99%くらいに苦々しく思っております。
週刊文春comments(2) *author : wacky
おい おい
週刊文春』にて連載中のエッセイ、中村うさぎ「さすらいの女王」の挿絵を担当しております。


2010年 12月23日号

この号では、うさぎさんがご自身の「老い」について語っておりました。体力も気力も落ちて来てしまい、途方にくれているというのです。「あと一歩だけ動け、足!」というようなフレーズも登場し、悲痛にも似た内容でした。大丈夫でしょうか...うさぎさん。イラストはさびた体をイメージしてみました。

僕が歳を感じるのは階段でございます。若い頃はたとえ三段飛ばしで登っても疲れませんでしたが、最近は一段一段を小刻みに登ったりしております。チワワのような足の動きだとお考え下さい。

しかも、以前は長い階段の途中に「踊り場」が存在する意味が分かりませんでしたが、今では一回足を休ませる場所だという事に気が付きました。もし踊り場がないと大変だと思います。途中で疲れきってしまい、全く本意ではありませんが、両腕をついて登る事になり、本当のチワワみたいになるからです。あんなに目をつぶらな感じにするのが、素人には難しいよね。





12月30・1月6日 新年特大号

前回に引き続き、「老い」がストーカーのように迫ってきている気がするといううさぎさん。整形で若めの外見を手にいれたおかげで、実年齢と自意識年齢にギャップが生じて、「老い」を受け容れられないのかも?という内容でした。イラストは「老い」をストーカー風に表現してみました。

僕が歳を感じるのは階段でございます。若い頃はたとえ三段飛ばしで登っても疲...
と、このように、同じ話を何度もしてしまう時にも歳を感じます。友人に同じエピソードを何度も話してしまったり、その人から聞いた話を、その人自身に話してしまったりして恥ずかしい思いをするのです。
とくに最近は誰に何を話したのかも、何を聞いたのかも、てゆうか、何がどうなってるのかも分からない状態で、舌を出してハッハッ言っているだけでございます。それはまるでチワワみたいだだとか、もう小型犬の話はやめていいでしょうか。

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それは「老い」なんじゃないかと思う例




歳なんて関係ない、芸術は爆発だと思わせてくれる人の例


週刊文春comments(5) *author : wacky
THIS IS ODEN!
週刊文春』にて連載中のエッセイ、中村うさぎ「さすらいの女王」の挿絵を担当しております。


12月9日号

すっかり忘れてしまった麻雀のルールを思い出す為、PS3で麻雀のゲームを始めたうさぎさん。自分からはゼッタイに勝負を降りない性格で、結局負けてしまうという内容でした。

イラストは、麻雀をする方ならご存知の『一索』という牌に描かれている孔雀ちゃんです。ちなみに元々は「鳥」が「銭の入った籠」を背負っている絵だったそうで、いつの間にか「孔雀(あるいは鳳凰)」に変化していったのだとか。ですから、孔雀の上に描かれている白い丸の集合は「銭」を表しているのです。


12月16日号

引き続き麻雀のお話。うさぎさんが「勝った、負けた」とツイッターで呟いていたら、「賭け事」に対する批判コメントがきたそうです。それに対して「プレステ3ですけど?」と返したら、それきり返答がなかったという内容でした。イラストは、画面から飛び出していい返す女王様、という感じで描いてみました。

そういえば中学生くらいの時に、不良グループから麻雀に誘われた事があります。僕は当時、白いスニーカーに白いソックス、他にも色々白い部分のある少年でしたので、当然不良の仲間ではありません。どうせカモにされると思いつつ、覚悟して参加してみると、それは麻雀ではなく、牌がドラえもんバージョンの『ドンジャラ』でした。不良が「しずかちゃん」とかの牌を揃えているのでちょっぴり笑ったら、思いっきりぶたれた上に、カモられました。当初の予定通りで良かったです。

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突然ですが、これは僕が高校生の頃、セブンイレブンでアルバイトをしていた時の写真です(ワキサカは右端)。
なぜ店長(中央)と副店長(左端)が、グラサンをかけて悪ぶっているのか、さっぱり分かりませんが、分からなくてもいいような気もします。...とかそんな事より、なぜこんなに世代が丸出しになってしまう写真を載せたかといいますと、この制服の柄が、寒い今の時期にぴったりだったからです。


まさかの お・で・ん

一番女子にモテたい思春期に、おでん柄を着る勇気はとても人格形成に役立ちました。...と、ここで終わる予定でしたが、写真を良く見ていたら、ちょっとびっくりした事があります。当時は全く気が付かなかったのですが、副店長がマイケル・ジャクソンさんではありませんか。バイトとかもしていたんですね。


無理ある?


さてさて、クリスマス前という事で街もキラキラピカピカして浮き足立っておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。こちらはといえば、今年は風邪をよくひく冬でして、今も少し風邪気味でございます。しかし、街に出なくても鼻からキラキラピカピカした水みたいなものが出てくるので、嬉しいです。もちろん外出の際は必ずマスクをつけております。この時期のカップル達はキラキラピカピカしているものを見ると「わぁキレイ」なんつって寄ってきてしまうからです。カラスの習性と一緒だそうですね。

マスクと言えば、ちょっと意味は違うけれど、忘年会の出し物に困っている方の為に、戦場カメラマンも貼っておきますね。
週刊文春comments(11) *author : wacky
もろもろ
週刊文春』にて連載中のエッセイ、中村うさぎ「さすらいの女王」の挿絵を担当しております。

 
11月25日号

うさぎさんは男性が苦手だそうです。厳密に言うと、ムキムキの筋肉や毛むくじゃらな身体、ガツガツした感じ…こういった「男らしさ」の特徴が強ければ強いほど、嫌悪を感じてしまう、という内容でした。
イラストは「ムキムキな毛むくじゃら」を「ゴリラ」で表現。よく考えればゴリラはメスも毛むくじゃらですので、オス型のネックレスをかけてみました。

そういえば、今までゴリラのメスについて考えた事がありませんでしたが、人間から見ると、顔はいかついし、マッチョだし、とてもメスに見えませんよね。それなのに、なぜオス達がウホウホできるのかがとても不思議です。ガッツ石松さんの女装を見て興奮するような感じなのでしょうか。胸まで叩いて雄叫びをあげるなんてマニアック過ぎると思います。
逆に僕から見てなんとなく女子っぽい感じがする動物は、ネコやウサギ、あとフラミンゴなどですかね。ウホウホ。



12月2日号

ある週刊誌に、マツコ・デラックスさんをバッシングする記事が載ったようで、親友でもあるうさぎさんが憤っている内容でした。その出版社からのお仕事を干されてもいい覚悟で、とても厳しく記者の姿勢を批判されていおりました。イラストはマツコさんを描いたつもり。あんまり似顔絵は得意じゃないんですが...

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さて、先月から今月にかけて、なんだかんだと催し物に行きましたので、備忘録として何件かご紹介させてください。


カンニング竹山単独ライブ
たまたまチケットを頂いて拝見したのですが、テレビでは出来ないであろうネタが満載で面白かったです。ホワイトボードに書かれた芸能人の名前と、使用した違法薬物の名前を、正しく線で結ぶクイズなどもありました。ゲスト出演の鳥居みゆきさんが、超まともな感じでびっくり。



こちらは先月に開かれていた友人のグループ展でのお写真。Gomaさんというアーティストの作品です。額縁がパンで出来ておりました。なんとなく絵本の世界のようで楽しかったです。
小さい頃「ヘンゼルとグレーテル(GLAYのテルと同一人物)」のお話が好きだったのを思い出します。『おかしの家』がたまらなく魅力的だったからです。大人になった今は、衛生面、虫対策、強度などの不安から、おかしの家よりも普通の家が魅力的に感じますが、あの時のワクワクするような気持ちだけは忘れたくないですね。忘れちゃったけど。



香水瓶の世界(庭園美術館)
香水瓶の歴史を年代別に展示するという、珍しい切り口の展覧会。ディオールの「ミスディオール」、スキャパレリの「スリーピング」という香水瓶の美しさが印象に残りました。そして、ルネラリックというフランス人ガラス工芸家が、数多くの美麗な香水瓶のデザインをしていた事を知ったのが一番の収穫。

そうそう、昔は香水がとても貴重な品でしたので、香水瓶を大事にしまっておく為の箱も展示してありました。細工が綺麗でしたので、じっくりみていたら、すっと隣に来た初老の女性に声を掛けられました。「それ箱よ」つって。知っております。



東京03 第11回単独公演
これは単純にファンで観に行きました。日常の些細な心理にスポットをあてる東京03の笑いがツボなのです。今回の公演も、動きやボケではなく会話のやりとりを重ねていくコントが多くて、ちょっとした演劇を見ているような感覚で楽しめます。


僕はこのコントを見てから、好きになりました。(↑携帯の方は動画が表示されてないかも)

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というわけで、ザ・日記帳で申し訳ないのですが、たまにはこんな感じで。ウホウホ。

週刊文春comments(4) *author : wacky
割引のハードル
週刊文春』にて連載中のエッセイ、中村うさぎ「さすらいの女王」の挿絵を担当しております。


11月11日号

単なる『自分の好き嫌い』と『物事の善悪』は混同しがちで、厳然と区別されるべきだ、といううさぎさん。この号のイラストは、"世間という言葉を盾にすること"をビジュアル化してみました。
話を端折り過ぎて、何を言っているのか分からないと思いますが、こちらも同じ気持ちです。ご安心下さい。



11月18日号

うさぎさんが、『ビッチ・スラップ -危険な天使たち-』というアメリカ映画のトークイベントに参加したという内容でした。ちなみに"ビッチ"とは、ふしだらな女性という意味より、本来は「悪女」という意味に近いようですね。...というわけでイラストはちょっと悪そうな女性を描いてみました。

この映画『ビッチ・スラップ』は、セクシー美女3人組が、砂漠を舞台に高価な宝石を巡ってアクションを繰り広げる、B級テイストな作品だそうです。とか、そんな事よりこの映画には、なんと"ビッチ割引"という制度があるのです。こういった情報は正確性が大事ですので、「シアターN渋谷」という上映館のホームページから、当該箇所を引用させて頂きますね。

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"ビッチ割引"決定!
女性3人でご来場のお客様はお1人様1,000円!
受付にて「私たちビッチです」とお申し付け下さい。

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改めて情報を整理致しますと、わざわざ女性3人で待ち合わせて劇場に向かい、受付で「私たちビッチです」と、親が泣くようなお申し付けをすれば『800円』お得になるということです。嬉しいですね。

もちろん窓口には他に誰もいない時が良いかもしれません。
なぜなら、割引のことを知らないお客さんからしてみれば、前に並んだ女性達が、さっきまで「美味しいフランスパン見つけたよ〜。今夜ウチで食べようよ。」などと談笑していたのに、窓口の前に立ったら突然「私たちビッチです」と言い出すわけです。もし僕が後ろに並んでいたら、「え?何を言ってるんだチミは」つって膝がガクガクし、あっ、もしかすると、そのフランスパンて何かの隠語なんじゃないか、今夜は何がどうなるんだと気になって、映画どころではなくなるからです。

まぁそれ以前に、通常3人で映画を観るとなりますと、少なくとも1人は「アタスは『THE LAST MESSAGE 海猿』がいい」などと言いだすもの。『ビッチ』と『海猿』で取り返しのつかない仲間割れが起きて、事実上その日が3人のTHE LAST MESSAGEになる可能性もあるわけですから、割引への道のりはかなり険しいです。

しかも...この割引にはもうひとつ、最後の注意事項があったのです。先程と同様に、以下引用させて頂きますね。

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※なるべくビッチな服装でご来場いただければ幸いです。
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もう800円払うから大丈夫です。
週刊文春comments(4) *author : wacky
かぜファンタジー
週刊文春』にて連載中のエッセイ、中村うさぎ「さすらいの女王」の挿絵の紹介が続きます。


10月28日号

この号では引き続き、自分なりの「正義」を貫く事と、「独善」について考える内容でした。...というわけで、挿絵は「JUSTICE」の「E」だけが独善的な様子を描いてみました。

昔は何でも素直に「イー」と言っていた彼ですが、体の中心部に自分にだけ、謎の横棒がある事に気付いてから、少し気難しくなってしまったのです。「なんだこの突起は」つって。オスなのかな。

ちなみに正義と言えば「正義の味方」ですが、ワキサカも『特撮ヒーロー』になった事がある、というお話を以前ブログに書きました。あなたの人生の2、3分ほどが無駄な時間となりますが、よければご覧くださいね。→2008年10月3日の日記



11月4日号

ツイッター上で『押尾学と自称する人物』が表れたので、うさぎさんがそれをニセモノ?本物?と面白がっていたら、誰かに「不謹慎だな、このブス」とコメントされたそうです。お怒りのご様子でした。

挿絵は押尾さんのつぶやき、という事で「来たらすぐいる?」をイメージ。でも、これもご遺族の方にとっては不謹慎ではありますよね...。反省。


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さて、忙しさが落ち着いて参りましたので、久しぶりにお酒を飲んだりしようと思っていた矢先、風邪気味になってしまいました。気が緩んだのでしょうね。

昨晩も、飲む予定でしたのに、直前に鼻水が垂れ流しになりました。温泉でしたら、かけ流しは喜ばれますが、鼻水の場合はあまり喜ばれないと聞きます。仕方がないので、街の薬局に飛び込みました。

風邪薬はたくさんあって、どれがいいのか分かりません。そこでレジにいた、少しお馬さんのようなお顔をされた男性薬剤師さんに相談してみたのです。すると最初の質問が

鼻水は透明ですか?それとも、ちょっとしたカスタードクリームみたいですか?

でした。
「ちょっとしたカスタードクリーム」と「がっつりカスタードクリーム」のさじ加減が分からず、返答に困って鼻水がいつもより余計に出てしまいましたが、少なくともエクレアとか食べたくない気持ちにはなり、糖尿病のリスクが減って良かったです。

そしてお薦めの薬を買っての帰り際、「今日はお酒を飲むんですか?」と聞かれたので、僕がうなづくと、彼は意外にもこう言いました。

だめですよ、治ってからも飲めるんですから、今日は体を芯から暖めて、ゆっくり寝てください。

そんな優しさと厳しさのある言葉を、一見の客にかけてくれるなんて。彼の背中に天使の翼が見えたような気がします。なるほど、今思えば、お顔がお馬さん似ていたのは、彼が本物の「ペガサス」だったからなんでしょうね。

嬉しくて、お薬を一気にたくさん飲みました。
週刊文春comments(5) *author : wacky
実から板へ
『週刊文春』にて連載中のエッセイ、中村うさぎ「さすらいの女王」の挿絵です。


10月14日号

うさぎさんは最近、「スラムダンク」を読んで、思春期に戻ったような気分になったそうです。その勢いで、昔書いていた「ライトノベル」系の小説を、また書けそうな気がしてきた、という内容でした。

ワキサカはスラムダンクを読んだことがないのです。知識としては、バスケ漫画で、髪の赤いリーゼントの人がチームにいるって事くらい。僕が他校のバスケ部の選手だったら、そんな恐そうなチームと試合をしたくないので、顧問の先生に練習試合すら組まないようにお願いすると思います。


10月21日号

うさぎさんには自分の中の「善悪の基準」があるそうです。そのルールを他人に押し付ける気はなくとも、ポリシーに反する事には首を縦に振れず、結果的に「独善的な人」というレッテルを貼られてしまう...という内容でした。イラストは「自分のルール」を説明する女性のイメージで描いてみました。

善悪の基準は人それぞれですが、マイケル・サンデル氏の『これからの正義の話をしよう』がベストセラーになるくらいですし、物事は様々な角度から考えてみる事が重要なのかもしれませんね。

そもそもその本のタイトルだって、『正義』を「せいぎ」と読むのが正しいのか分かりません。「まさよし」と読むと、急に変な感じになるけれど、一度考えてみる事が重要だと思うのです。

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
マイケル・サンデル,Michael J. Sandel

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気が付けば11月。夜などすっかり冬のような寒さを感じますね。

先月はほとんどお休みがとれなかったので、今年は秋を楽しめておりません。...そんな事を書くと「俺、忙しいんだぜ」的な自慢だと思われそうですが、違うのです。描いたイラストのデータを消してしまう、という事件のせいです。

あろうことか、保存の際のミスで、納品前のイラスト(カット)が大量に消えてなくなったのです。作業量にして、4〜5日分でしょうか。血の気が引いた、とはこの感じだと思います。

締め切りも近く、もう「あうあう」としか言葉を発せない体になりつつも、どうにかデータを復活できないかと、右往左往してみましたがダメでした。たぶん、右にいったり、左にいったりしただけだからです。
もしかしたらデータが落ちているんじゃないかと思って、パソコンの裏も探してみましたが、見つかったのは、すっかり埃をかぶったあの頃の夢だけでした。

などとふざけている場合ではなく、お仕事先に事情を説明して、なんとかお待ち頂く事に。そして、ほぼ起きている間中はずっと作業、という状態に突入。もちろん突入するときは、「今から突入しま〜す」と留守電に残しておきました。(←昭和の人向けですので、分からない子は近所の職業不詳のおじさんなどに聞いてね!)

結果、なんとか納品は出来たので良かったです。でも、あまりにも疲れて、冷凍庫を開けっぱなしのまま寝てしまい、大好きな『アイスの実』が、『変な色の板』みたいになっていた日は、ちょっと悲しかったです。

週刊文春comments(11) *author : wacky
迷路
週刊文春』にて連載中のエッセイ、中村うさぎ「さすらいの女王」の挿絵です。ご紹介が遅れているので続けて。


9月30日号

当初、twitterを画期的なメディアだと捉えていたうさぎさん。しかし実は箱庭的な世界なのでは...という内容でした。イラストはアイコン人間?を描いてみましたよ。右下にはツイッターの鳥キャラがいたり。


10月7日号
うさぎさんの『Twitter論』が完結。『Twitter』と『セカイ系』との類似する点を指摘されていました。『セカイ系』は、アニメやライトノベルなどの物語の類型の一つのですが、英検3級のワキサカには説明が難しいです。

イラストは、迷路がモチーフになっています。僕は子供の頃、こういった迷路を描くのが大好きでした。人生自体がすでに迷路だなんて知らなかったからです。

僕が当時よく描いたのは、先に輪郭を作り、その中を迷路にするパターンでした。例えば怪獣の形だったら、スタートが口で、尻尾がゴール、みたいな感じですね。

友達や家族などにチャレンジしてもらうワケですが、子供の迷路ですからすごく簡単です。しかし親戚のおじさんだけは、いつもなかなかゴールできなかったのです。「かわいそう」だと思い、おじさん専用に簡単な迷路を描いてあげた事がありますが、もちろん今はそのおじさんが、子供相手に難しいフリをして遊んでくれたんだと分かります。優しさですよね。

ほんの少し気になる要素があるとしたら、おじさんの手の震えが、なぜかお酒を飲むとピタっと止まる事くらいですが、きっと関係ないと思います。優しさですよね。

あと、そのおじさんが病院に行き、レントゲンを撮った際、「そもそも、一回頭蓋骨が骨折して、自然にくっついた跡がある」と言われていましたが、それも関係ないと思います。優しさですよね。
週刊文春comments(6) *author : wacky
バベルのとう
週刊文春』にて連載中のエッセイ、中村うさぎ「さすらいの女王」の挿絵です。


9月16日号
うさぎさんの考える「twitter論」といった内容が続いております。この号の挿絵は、「RT」でつぶやきが拡散していく様子を、脳に見立てて描いてみました。twitterを利用していない方には「RT」という表記は馴染みがないですよね。ルイボスティーの略だと聞いたような気もします。お肌にとっても良いんですってね。


9月23日号

この号もtwitterについて。挿絵は、「バベルの塔」という言葉が文章に出てきましたので、このような感じにしてみました。「バベルの塔」はご存知の通り、旧約聖書に記されているエピソード。

天に届くほどの塔を建設しようとした人間達の行為が、神様の怒りを買い、元々はひとつだった人々の言語がバラバラにされてしまった」というお話です。つまり、世界中に多様な言葉が存在する理由は、人間の傲慢に対する神の裁きだったというような解釈になりますね。

しかし僕個人としては、「俳優の加勢大周さんが独立しようとした行為が、所属事務所の怒りを買い、まさかの新加勢大周さんが現れてややこしくなる」という事を予言したエピソードなんじゃないかと思っております。その後加勢大周さんが、違う意味で御上の裁きを受けたのをみて、確信が持てました。


古い話が続いて恐縮ですが、「バベルの塔」と聞くとファミコンのゲームも思い出します。僕が子供の頃にヒットしたアクションパズルゲームです。

保田君(当時の友達)がそのゲームを買ったと言うので遊びに行ったら、ファミコンのある部屋に、彼のお母さまが体調が悪くて寝込んでいた事がありました。保田君に「いいの?」と聞いたら「いいよ」と言うので、気にしつつもピコピコ遊んだ記憶があるのです。今思うと、いいワケないよね

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あは〜 つって

先日、友人の結婚式でお台場に行ったのですが、大好きなQさんがいらっしゃったのです。藤子・F・不二雄先生の漫画が好きな事は以前にも少し書いた事がありますが(こちらの日記とか)特にQさんは、お昼ごはんを食べたばかりなのに、もう夕飯の事を考えてる感じのお顔が好きなのです。もちろん、パーさん、ドラさん、キテさん、エスパーさんなども全部好きですけどね。



で、乗ってみるよね
週刊文春comments(4) *author : wacky
反応されたい
週刊文春』にて連載中のエッセイ、中村うさぎ「さすらいの女王」の挿絵です。ご紹介が追いつかないので3号分まとめて。


8月26日号
うさぎさんが中高時代の同窓会に出席されたそうです。その中で『抹茶ババア』という単語が出てまいりましたので、こんなイラストを描いてみました。内容を端折りすぎて、よく分からないと思いますが、描いた僕も分からないので、なんかごめんなさいね。


9月2日号

9月9日号
こちらの2号は『twitter』での発言の波及力について考察する内容でした。雑誌で書いてもあまり反応がないのに、twitterでは様々な反応が即座にあって驚いているそうです。というワケで、twitterのイメージをイラストにしてみました。twitterには有名人の方も参加されていますが、やはり皆さんから直接感想や反応があるのは楽しいのでしょうね。

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イラストレーターを志して数年後のことですから、あれは20代中頃だったでしょうか。当時刊行されていたシャレオツ女性誌で、初めてのイラスト連載を頂いたのです。発売日にワクワクして本屋さんに寄ってみたところ、先にその雑誌を立読みしている女子がいました。

もしその方がイラストに目を止めて「あら素敵、どんな殿方がお描きになったのかしら?」などとなれば、「どうもこんつわ、ぼくです」と声をかける必要が出てまいります。鼻息を押さえながら様子を伺っていると、ついに僕のページが開かれたのです。それは、とても気合いを入れて描いた見開き2ページのイラストです。...するとどうでしょう、それまでは死んだ魚のようだった彼女の瞳が急にキラキラと輝きはじめ...るはずもなく、ペラーッって0.2秒くらいで次のページにめくられました。ペラーッて。

結局その連載中、知人の感想は別として、読者の方から反応を頂ける事はなかったのです。「若さ」というものは多分に「自意識過剰」に陥りやすいもの。僕は連載が始まったら、どんどん感想などが届き、すぐに売れっ子になるような気でいましたが、その立読みの女性の反応こそが現実だったのかもしれません。

僕がどんなに時間をかけたとか、売込みをしたとか、こだわりがあるとか、そんな事は一切関係なく、興味がなければページをめくられるだけ。そんな世界で仕事をしていることにやっと気付いたのです。急に足場が崩れていくような、ひざがガクガクするような感覚を覚えました。それからですね、生まれたての子鹿のモノマネがうまく出来るようになったのは。

そして子鹿のモノマネが近所の幼稚園でブレイク。僕は子鹿おじさんという芸名で全国を旅するようになる、とかそういう話にしたいのですが、我慢します。

実は、その連載が終わった一年後くらい後、お仕事で関わったデザイナーさんから「あの連載を拝見していて、いつか頼みたいと思っていた」と言われた事があるのです。たとえ反応がなくても、どこかで誰かが見ていると思い、一定の水準を保ち、地道に続ける努力が大事だと感じた、というお話なのです。

ちなみに僕の妄想の子鹿おじさんは、全国区の人気になり、築きあげた富で豪邸を建てます。しかし、悪徳業者に手抜き工事をされて土台の柱がガクガクしてしまい、『まさに子鹿御殿!?』とかワイドショーで騒がれる予定です。
週刊文春comments(7) *author : wacky
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